コラム
1997年1月6日のテレビ欄(出典:『テレパル』第1号・東版)

和久井映見が武田鉄矢と歩く“バージンロード”に安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」~1997年『バージンロード』より/懐かし番組表

懐かし
1997年1月6日のテレビ欄(出典:『テレパル』第1号・東版)

地上デジタル放送化に伴い、テレビ番組表というものから遠ざかってしまった人もきっと数多いだろう。WEBメディア『テレビPABLO』では、そんな大人のためにかつての番組表を紐解きながらタイムトリップをお届けしたい。ウン年前の今日、夢中になって観ていたテレビは何だったのか? テレビ情報誌『テレパル』(小学館刊)の番組表と共に、当時の世相を振り返ってみよう――今日は1997年1月6日にタイムスリップ。

年末年始の休暇中に、同窓会で学生時代の友人と久しぶりに会って昔話で盛り上がった人も多いだろう。特に高校卒業後20年という節目には通常よりも集まりがよく、すっかり大人になってからの再会にいろんな思いが交錯するものだ。20年という月日は、あなたにとって長かっただろうか、短かっただろうか。

さて20年前、1997年1月6日は月曜日。『テレパル』番組表からはフジテレビ21時『バージンロード』に注目する。主演はトレンディードラマから感動ものまで、引っ張りだこだった和久井映見。前年1月クールの『妹よ』に続き、2年連続で年初の“月9”主演というのは、若手トップ女優の証明だ。

そしてこのドラマと切り離せないのが、安室奈美恵による主題歌『CAN YOU CELEBRATE?』。和久井映見がウエディングドレス姿で教会にいるというドラマのオープニングでは、自身もプロデューサーの小室哲哉とともに出演し、この曲を歌い上げる。まるで曲のプロモーションビデオのようで印象的だった。もちろんドラマも曲も大ヒット。

さらにこのドラマが放送された年、安室奈美恵がまさかの電撃入籍で“紅白”でこの歌を歌うことになるとは……視聴者は誰も予測できなかった展開。『CAN YOU CELEBRATE?』。20年後の今でも結婚式ソングの定番の1つに数えられるし、特に今の“アラフォー婚”では最もウケる曲と言ってもいいだろう。

1997年1月6日『バージンロード』(フジテレビ)/ピュアな和久井ちゃんに反町隆史も寺脇康文も岩城滉一も立候補

  • 『テレパル』1997年第1号・東版の表紙
  • 『バージンロード』(フジテレビ)/1997年1月6日のテレビ欄(出典:『テレパル』第1号・東版)

和久井映見が演じたヒロイン・桜井和美は26歳。幼い頃に母を亡くし、弟の亘(北原雅樹)とともに父・桜井光(武田鉄矢)の男手ひとつで育てられた。光は人は良いのだが昔ながらの頑固オヤジで猪突猛進型。和美もそんな父に似た性格で、思いこんだらまっしぐらのタイプだ。

そんな和美が父の反対を押し切ってジュエリーデザイナーを目指してアメリカに留学。そこで知り合った東城亘(岩城滉一)と恋に落ち、東城の子を妊娠する。しかし東城は妻子持ちであることが判明、和美は東城に妊娠を告げないまま別れる。

以下の展開を役名ではなく演じた役者名でギュッとダイジェストするとこうなる。

父・武田鉄矢が危篤との報せを受けて帰国することになった和久井映見は、帰国の機内で隣り合わせた2歳年下のルポライター・反町隆史に「父を安心させるために婚約者のふりをしてほしい」と頼む。

和久井映見が反町隆史を連れてが実家に帰ると、武田鉄矢の危篤は誤報で本人はいたって元気で、いきなり男を連れてきたことに怒りだす。そして武田鉄矢と反町隆史の前で和久井映見は嘔吐し、妊娠の事実が発覚。反町隆史は父親役を引き受けることに。

武田鉄矢の前でニセの婚約者を演じていた和久井映見と反町隆史は反発しあいながらも情が芽生えてくる。そして実は和久井映見とは実は血がつながっていなかった武田鉄矢も2人の関係を知りつつ、2人の愛を認めるようになっていく。

しかし反町隆史は、戦場カメラマンの世良公則にアシスタントとして誘われてエルサルバドルの戦地に行くことに。そんな反町に武田鉄矢は形見である指輪を渡して見送った。しばらくして、反町隆史がエルサルバドルで死んだという報せが入り……。

とにかく和久井映見がかわいい。ふくれっ面も泣き顔もナチュラルで感情移入しやすい演技。そんな和久井映見が演じた和美もモテモテで、反町隆史と、その友人で出版社社長の息子役の寺脇康文も夢中。さらにお腹の子の父親・岩城滉一も現れて彼女に求婚する。今で言う、石原さとみと新垣結衣クラスのモテっぷりだ。

物語は和久井映見と反町、寺脇、岩城の3人の“イイオトコ”との関係と同時に、武田鉄矢の暑苦しいほどの娘への愛情もまた軸となって描かれる。最終回、ドラマのタイトルにもなっているバージンロードを歩く和久井映見と武田鉄矢の場面、そこで流れる『CAN YOU CELEBRATE?』は感涙ものだった。男女の愛と父娘の愛を最後まで丁寧に描いた“月9”全盛期のパワーを感じさせるドラマだ。

さて、2017年最初の“月9”もまた、奇しくも20年前の“月9”と同じ、結婚がテーマ。1月の新ドラマとしては最後尾、1月23日スタートとなる今度の“月9”は西内まりや主演『突然ですが、明日結婚します』だ。結婚というテーマは、そこに至る恋愛関係と同時に家族との関係も描かれる。昨年終盤の“逃げ恥”の快進撃もそうだったように、視聴者をいい感じで“乗せる”ことに成功すれば、伝統の“月9”復活だってじゅうぶんあり得る。

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1982年、『テレパル』創刊準備のために編成された、テレビ局専門取材チーム。各テレビ局ごとに担当がいて、毎日テレビ局の広報や宣伝部を拠点に局内を徘徊、情報収集。その情報を元にテレパルの特集や番組表や番組紹介記事を制作していた。「その日に仕入れた情報はその日のうちに処理する」ことが宿命だったため事務所は“不夜城”となっていた。名刺に使われている「IS」の緑のロゴは、メタリックでキラキラしていて、テレビ局員の印象に残っている。

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