コラム
1997年1月7日のテレビ欄(出典:『テレパル』第1号・東版)

織田裕二の青島刑事、いかりやの和久さん、“柳葉”室井管理官…20年前の今日が初回~1997年『踊る大捜査線』より/懐かし番組表

懐かし
1997年1月7日のテレビ欄(出典:『テレパル』第1号・東版)

地上デジタル放送化に伴い、テレビ番組表というものから遠ざかってしまった人もきっと数多いだろう。WEBメディア『テレビPABLO』では、そんな大人のためにかつての番組表を紐解きながらタイムトリップをお届けしたい。ウン年前の今日、夢中になって観ていたテレビは何だったのか? テレビ情報誌『テレパル』(小学館刊)の番組表と共に、当時の世相を振り返ってみよう――今日は1997年1月7日にタイムスリップ。

20年前の今日、1997年1月7日の『テレパル』番組表、フジテレビ21時。のちにテレビドラマ史に残る国民的人気シリーズとなる『踊る大捜査線』が始まった。主演は1980年代終盤から1990年代初頭にかけて加勢大周、吉田栄作と並んで“トレンディー3人衆”の一角にいた織田裕二。

織田裕二は伝説的ドラマ『東京ラブストーリー』(1991年フジテレビ)でその“3人衆”から頭一つ抜け出し、コメディーからシリアスなものまで多彩なドラマで主演を重ねてきた。台頭するSMAP勢に負けない視聴率を稼げる人気俳優。この日始まった『踊る大捜査線』の直近では前年夏クールの『真昼の月』で初のベッドシーンも体験した織田裕二が新たに挑んだの役柄は“刑事”だった。

この連ドラ版がインターネットの掲示板やフォーラムで話題となり、当初の視聴率以上の波及効果を生んでスペシャルドラマも劇場版も大ヒット、劇場版は地上波の映画枠で放送すれば圧倒的高視聴率、“踊る~”を冠につけたさまざまな番組が生まれるなど“現象化”したのはご存知の通り。

マニアなら連ドラも初回からコンプリートしているだろうが、ブームとなってから“なんとなく”見たという人が圧倒的多数で、そうした層がブームを支えたのは間違いない。今日は20年前のこの日スタートした『踊る大捜査線』を振り返る。

1997年1月7日『踊る大捜査線』(フジテレビ)/「正しいことをしたければ偉くなれ」和久さんの重い言葉に、すべてのビジネスパーソンがうなずいた

  • 『テレパル』1997年第1号・東版の表紙
  • 『踊る大捜査線』(フジテレビ)/1997年1月7日のテレビ欄(出典:『テレパル』第1号・東版)

『踊る大捜査線』は、“刑事ドラマ”ではなく“警察ドラマ”。“刑事”を主人公にした、今で言う“お仕事”ドラマだ。だからいわゆる“刑事ドラマ”のような凶悪犯とのド派手な銃撃戦やカーチェイスはないし、スタンドプレーや天才的な頭脳で難事件を解決する話もない。警察という組織の内部矛盾、キャリアとノンキャリアの関係を描き、主人公の青島刑事はその中で“いちサラリーマン”的な悩みや葛藤を抱えながら刑事の仕事をこなしていく。

20年前の今日放送された第1話の冒頭は、取調室から始まる。取り調べる青島刑事(織田裕二)が、容疑者にタバコを勧めたり、故郷の両親の話をふってみたり、カツ丼をおごろうとしたり……と、それは実は“取調べ”のシミュレーションだったというオチ。そして上司にこう言われてしまうのだ。「刑事ドラマの観すぎ」。

時代だから刑事が咥えタバコをするのはよくある場面だが、青島刑事もタバコを吸う。咥えタバコでそこら辺に吸殻をポイ捨てしていたのがかつての刑事ドラマ、青島刑事は出勤時に署の前でタバコを棄てようとして「いかんいかん」と拾い直す。

殺人事件の現場に急行しようとしてパトカーを要請するのだが、「この書類に上司のハンコもらってください。規則ですから」と跳ね返され、結局走って現場へ。“湾岸署”の腕章をつけて現場に入ろうとすると先に来ていた警視庁の刑事たちから「ショカツの出る幕じゃない」と邪険にされる。

そして本庁からさっそうと室井管理官(柳葉敏郎)登場。青島は室井の指名で運転手役をやらされ、話しかけても相手に去れず、徹底的に冷たくあしらわれる。この2人の関係が“ノンキャリア”と“キャリア”の関係の象徴として、ここから先の物語の軸となっていった。

『踊る大捜査線』の面白さについては語りつくされているが、あえて言えば従来の“刑事もの”にない刑事の描き方が新鮮だったこと。かつ、事なかれ主義の上司たち“スリーアミーゴス”の言動、“ノンキャリア”の大先輩・和久刑事(いかりや長介)の重い言葉など、ユルい空気とシリアスのバランスが絶妙だったこと。

『踊る大捜査線』の人気を押し上げたのは普及期にあった“インターネット”の存在が大きいといわれている。たしかにこの時期、パソコンは“オタク”のものからもうちょっと裾野が広がりつつあった時期。少し前の『新世紀エヴァンゲリオン』のブームもネット利用者によってじわじわと始まり、やがて大きなうねりとなって社会現象化した。『踊る大捜査線』もまた、ネット利用者の琴線にふれる仕掛けがあちこちにあり、“エヴァ”と並び世紀をまたぐブランドコンテンツに成長する。

 

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1982年、『テレパル』創刊準備のために編成された、テレビ局専門取材チーム。各テレビ局ごとに担当がいて、毎日テレビ局の広報や宣伝部を拠点に局内を徘徊、情報収集。その情報を元にテレパルの特集や番組表や番組紹介記事を制作していた。「その日に仕入れた情報はその日のうちに処理する」ことが宿命だったため事務所は“不夜城”となっていた。名刺に使われている「IS」の緑のロゴは、メタリックでキラキラしていて、テレビ局員の印象に残っている。

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