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伊藤淳史(折茂圭太役)/『脳にスマホが埋められた!』第4話-(C)読売テレビ

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伊藤淳史、チビノリダーから約30年…いい人キャラで主演俳優枠を不動のものに『脳にスマホが埋められた!』

伊藤淳史(折茂圭太役)/『脳にスマホが埋められた!』第4話-(C)読売テレビ

「E-girls」のライブに行ってきました。メンバーも観客もほぼ女性ばっかりなのに、黄色い声援が会場にが飛び交う様子は、女子校の文化祭のよう。エネルギッシュに踊る姿を観て「若さって本当に弾けるものなのだな」としみじみ。

今回は『脳にスマホが埋められた!』(読売テレビ・日本テレビ系)に主演している伊藤淳史さんについて。彼が“33歳・既婚・一児の父”いう驚愕の事実を知って、震えております…。いや、まだ20代中盤くらいかな、というイメージで油断しておりました。私も年をとるはずですね…(ガクブル)。

有名アパレル会社に勤務する折茂圭太(伊藤)は、最近離婚したばかりで落ち込み気味。ある日、流れ星に願い事をしようと夜空を見上げていると星が近くまで接近して気を失う事件が勃発。さらに目覚めた4日後には、自分が起動ボタンを押すと他人のスマホを見られるという事態に…。圭太がこの不思議な能力を持ち合わせていることに気づいた石野柳子(新川優愛)が、近づいてくるようになり、圭太の生活は変化を帯びていく。

伊藤さん本来のキャラクターが戻ってきたな、というのが視聴後の感想。最近の出演ドラマ『無痛~診える眼~』(フジテレビ系・2015年)では、元・捜査一課のエースという刑事役。やけに捜査能力が高くて、堂々としている雰囲気には個人的に違和感が…。『とと姉ちゃん』(NHK総合・2016年)では、安定のいい人が一瞬、帰還。でも『大貧乏』(フジテレビ系・2017年)では、モテないという前詞はついたものの、有能な弁護士の役。どうもしっくりきません。

ただ今回は、平社員、リストラ寸前、女房に捨てられて時々面会する娘にもあしらわれている状態。でもひたすらいい人。そしてヘタレキャラ、未だにガラケーを使っているというアナログ人間という、彼のキャラの特筆すべき事項を全て網羅したような役なのです。

そして、現代らしい『他人のスマホ内容がすべて見える』という奇抜な設定が、伊藤さんをさらに引き立てます。

ドラマは、毎回1話完結。問題や悩みを抱えた厄介な人間が現れて、スマホに吐露していく本音を折茂がキャッチ。そして、彼がまっすぐな優しさや解決策へ導いていくのです。

第2話では、昔の後輩が整形して、自分を見失っている様子に気づくと

「…元どおりにしてあげられないかな、って。相馬さん(ゲストの相楽樹)、昔はもっと純粋でさ、男遊びが激しいタイプじゃなかったんだよ。いまは心から好きな人に出会えていないだけで…」

自分も相手から利用されそうな状況下にいながら、まさかの救出宣言までする人の良さ。それを「正気ですか?」と、間髪入れずに突っ込んでくる柳子の毒舌との掛け合いもこのドラマの面白要素に。

新川さんは初の毒舌キャラだと思うけど、気持ち良いほどズッポリとハマっています。ひょっとしたら演技の開拓になっているのかも。さらに柳子の友人・安田部々香(安藤なつ/メイプル超合金)はいつも冷静な分析を2人にぶっこんでくるのですが、セリフは安定の棒読み。『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』(テレビ東京系・2016年)以来、もう逆に演技がクセになってきたのでこのまま突っ走って欲しいものです。

第3話ゲストの秋元才加(本吉佳蓮役)と絡む伊藤淳史(折茂圭太役)/『脳にスマホが埋められた!』第3話-(C)読売テレビ

視聴者がどうしても彼を見守ってしまう俳優、それが“国民の弟”

伊藤淳史、と言われるとどうしても“チビノリダー”を思い出してしまうアラフォー世代。仮面ライダー風のコスプレをして、ノリさんの隣にちょこんといる姿がむちゃくちゃ可愛かったのです。

そのまま彼はどこへ進むのかと思いきや『渡る世間は鬼ばかり』シリーズ(TBS系)、『電車男』(フジテレビ系・2006年)とバラエティ番組から背を向けて、出演作品を重ねていくのです。代表作になったのは、『チーム・バチスタ』(カンテレ・フジテレビ系)でしょうか。シリーズ化、映画化と大ヒット作に主演した伊藤さん。嫌味な役の仲村トオルを相棒に、いい人キャラを不動のものとします。その様子を我が子の出演する発表会を見守るかのように、目を離せない視聴者たち。

個人的に映画『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』(2010年)で、亡き和久さん(いかりや長介)の息子役で登場したときは、歓喜、歓喜でしたよ。こんなベストキャスティングがかつてあっただろうかと。みんなに惜しまれつつなくなった和久さんの蘇りが、チビノリダーだなんて…!

そして「アカデミー賞」を受賞するまでの俳優として、ステップアップしていくのです。

イケメン戦国時代と言われるほど、競争の激しい主演枠。その中を“ミニマムサイズのいい人キャラ”という新しい存在感で見事勝ち抜いた伊藤淳史さん。見守った私たち視聴者は満面の笑顔です。なぜなら彼は今後どんな展開を見せようとも“国民の弟”であるのだから。鼻水を垂らして必死だったチビノリダーが大きく「へ~んしんっ!」を遂げた姿がただただ嬉しいのです。

ご本人は好青年役に悩んだ時期もあるということを聞きました。でも、国民の希望は違います。今回の『脳にスマホが埋められた!』の折茂のように、つい自分よりも他人のことを考えて行動してしまう、優しさを持ち合わせるチビノリダーであって欲しいのです。そんな由来もあって、今回の作品は深夜にもかかわらず非常に温かな気持ちで楽しめる、そんなドラマになっています。

このまま“いい父親~祖父”役にスライドしていって欲しい。えなりかずきくんに言って欲しくない「シャワー浴びてこいよ」みたいなセリフを吐く役だけは避けていただけたら、と願わんばかり。

『脳にスマホが埋められた!』は毎週木曜23時59分~読売テレビ・日本テレビ系にて放送。

伊藤淳史(折茂圭太役)/『脳にスマホが埋められた!』第4話-(C)読売テレビ
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スナイパー小林

スナイパー小林

スナイパー小林 ライター、編集者、愛酒家。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上で得意ジャンルは芸能、美容、健康、ざっくりカルチャー。20年以上ドラマをこよなく愛し、ついにはドラマ評もするという趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。座右の銘は「目標高く、腰低く」。静岡県浜松市出身のチャキチャキ遠州っ子。Twitter:@hisano_k

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