インタビュー
ダークな話もブタとモグラの人形劇でポップに/『ねほりんぱほりん』-(C) NHK

『ねほりんぱほりん』の中の人が語る――第2回:“闇と嘘”を見極める取材力

ダークな話もブタとモグラの人形劇でポップに/『ねほりんぱほりん』-(C) NHK

ウェブを中心に大反響を巻き起こしている人気番組『ねほりんぱほりん』(NHK Eテレ)のチーフ・プロデューサー大古滋久氏へのインタビュー企画。第2回ではゲストの人選で気を付けていることについて聞いてみた。

第1回:NHKの狙い「ネットの人たちを振り向かせたい」

ゲスト選びは慎重に…「1つ齟齬が生じるとすべての取材メモを疑ってかかる」

――テーマが決まるのはだいたいいつ頃ですか?

大古:スタジオ収録の2週間前ぐらいですね。僕らも欲張りだから、もっといい人が出てくるかもしれない、ってギリギリまで粘るんです。ディレクターは、出演候補者に対しては1人につき15時間以上は会って話を聞いています。そうすることで信頼関係が生まれて垣根を取っ払っていただけるんです。あと、嘘をついていないかどうかっていうのも見きわめなきゃいけない。長い時間話していて、「あれ、何日か前は違うこと言ってたよな?」とか1つ齟齬が生じるとすべての取材メモを疑ってかかるくらい慎重にやっています。

――テレビに出たいからといって、話を盛ったりする人がいるということですね。

大古:だから、主人公になりそうな人には、最後は2人で会うことにしています。1人だとどうしてものめり込んでしまうので、なかなか分かりづらかったりする。もう1人が客観的に見て「なんか、あの人ちょっと変ですよ」とか気付いたりすることもあるんです。最後には「複眼」で見るようにしていますね。

あと、向こうから売り込みで来た人や出ることに積極的すぎる人はちょっと疑ってかからないといけないですね。ある業界の人から、そのお客さんを紹介してもらったことがあったんですけど、何かおかしいなあ…ということになりまして。よくよく調べてみたら、その人は完全なサクラだったんです。業界の宣伝のためにこの番組を利用しようという魂胆だったようで、もう収録はこれで行こう!っていう感じになっていたんですけど、それはボツにしました。

――その人のやっていることを客観的に見る必要があるということですね。

大古:例えば、宝くじで1億円当選した人だったら、「証拠として通帳見せてくださいよ」とか。それで振り込まれていることを確認したり、そのときのメールのやりとりを見せてもらったり。そういうことをやってもいいっていう関係になるためには、やっぱりそれだけの時間もかかりますよね。信頼されないと見せてもらえないです。

『ディープピープル』や『香川照之の昆虫すごいぜ!』も手掛けた大古滋久氏(NHK チーフ・プロデューサー)/『ねほりんぱほりん』
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インタビュアー

ラリー遠田

ラリー遠田

1979年生まれ。東京大学文学部卒業。作家・ライター、お笑い評論家として執筆、講演、イベントプロデュースなど多方面で活動。主な著書に『逆襲する山里亮太』(双葉社)、『なぜ、とんねるずとダウンタウンは仲が悪いと言われるのか?』(コア新書)がある。『ヤングアニマル』(白泉社)に連載中の漫画『イロモンガール』の原作を手がける。

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